【アルワクラ=唐沢裕亮、深世古峻一】サッカーのワールドカップ(W杯)カタール...
日本ークロアチア PK戦でクロアチアに敗れ、肩を落とす日本代表イレブン
【アルワクラ=唐沢裕亮、深世古峻一】サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会第16日は5日、ドーハ近郊アルワクラのアルジャヌーブ競技場で決勝トーナメント1回戦が行われ、日本は前回ロシア大会で準優勝のクロアチアに1-1で延長でも決着がつかず、PK戦で1-3で敗れて初の8強入りを逃した。クロアチアは、ブラジルー韓国の勝者と9日夜(日本時間10日午前0時開始)にアルラヤンで行われる準々決勝で対戦する。
前半43分に日本が先制。堂安が右CKを短くつなぎながらゴール前にクロスボールを入れ、こぼれたところを前田が押し込んだ。セットプレーからの得点を強化してきた日本は、変化を付けたCKから今大会初めての先制点となった。
だが後半10分にハイボールをペリシッチに頭で決められて同点に追い付かれた。延長は互いに決め手を欠き、最後のPK戦は南野、三笘が相次いで外し、3番手の浅野が決めたが、4番手の吉田がGKに止められた。後蹴りのクロアチアは3番手が外したが、3人に決められた。
森保監督は「選手たちは本当によく頑張ってくれた。ベスト16の壁は乗り越えられなかったが、選手たちは新時代をみせてくれたと思う」などと話した。
7大会連続出場の日本は「新しい景色を」と8強進出を目標に掲げ、1次リーグではW杯優勝経験のあるドイツとスペインから金星を挙げる躍進を見せ決勝トーナメントに進出。過去に1次リーグを突破した02年日韓大会、10年南アフリカ大会、18年ロシア大会はいずれも決勝トーナメント1回戦で敗れ、ベスト16がこれまでの最高成績だったが、今回も超えられなかった。
前半、先制ゴールを決め駆けだす前田(中央)。左手前は谷口
◆スペイン戦から3人変更、前半43分CKからチャンス
【試合経過】日本初の8強入りを懸けた戦いは、1次リーグ第3戦のスペイン戦から先発を3人変更してスタート。GKは権田で、DFは谷口、吉田、冨安の3バック。中盤の底は対人に強い遠藤が守田と組み、左右のサイドは長友と快足の伊東。前線は前田を頂点に、その後方に鎌田と1次リーグ2得点の堂安が入った。
前半はクロアチアがボールを保持する時間が続いたが、日本がセットプレーから前半43分、貴重な先制点を挙げた。右CKをつないだボールを右から堂安がゴール前へ。こぼれたボールを前田が押し込んだ。
前半の日本は守備ラインの裏をクロアチアに狙われ、ロングボールでチャンスをつくられていた。日本は開始3分に最初のチャンスをつくり、右CKを低い位置で受けた遠藤がゴール前に送り、谷口が頭で合わせたが左にそれた。その後も守備を固めながら好機を何度かつくっていた。
◆後半10分、ヘッドで同点にされ、三笘と浅野投入
後半10分に同点に追い付かれた。クロアチアにパスをつながれて後方から長いボールを入れられ、ペリシッチに頭で決められた。
18分にクロアチアの司令塔モドリッチの強烈なミドルシュートをGK権田が左手で防いだ直後、日本は三笘と浅野を投入して攻撃のてこ入れを図った。
30分には鎌田を下げて酒井を投入した。
32分には日本のスローインのボールを奪われピンチを招いた。クロアチアの速攻からペリシッチにシュートを放たれたが、冨安の守備の対応からボールはゴール枠外へ。
日本が42分に堂安から南野に交代した後も互いに決め手を欠いたまま、4分のロスタイムも終了。90分間で決着がつかず、前後半各15分の延長に入った。
延長前半、三笘(右端)のシュートはクロアチアのGKリバコビッチ(奥)の好セーブに阻まれる
◆延長前半15分、三笘がドリブルからシュートも実らず後半へ
モドリッチが延長前半8分に下がった後、日本は15分に三笘が自陣からドリブルでゴール正面まで持ち込みシュート。クロアチアのGKリバコビッチに防がれた。
日本が守備的MFを守田から田中に交代した延長後半も互いにスコアはなく終了し、PK戦に入った。
◆読まれていたPK戦
PK戦は先蹴りの日本が南野、三笘と相次いでGKに読まれて止められた。3番手は浅野が決めた後にGK権田がクロアチアをストップ。だが4番手の吉田も止められ、最後はクロアチアに決められ敗退となった。